機械・造船科
機械コース
 機械コースではどのようなことを学習するのか、また卒業後に産業界でどのような働く場所が与えられているか、ということについて説明します。
 資源の少ないわが国で1億を超える国民が生きて行くための産業として、最も大きな柱は製造業です。原材料を海外から輸入して、それを加工し、付加価値を付けた製品として外国に輸出することです。すなわち、「物づくり」をしてわが国は生きているのです。日本が工業立国と呼ばれているのはそのためです。
 どのような業種の産業でも機械のない職場は考えられません。そして機械に関わる仕事は、様々な機械を作る仕事、機械を運転する仕事、整備・修理をする仕事等、仕事の内容が極めて広範囲にわたります。従って機械コースの卒業生は自動車、家電、電力、産業機械、製鋼、鉄道運輸、化学工業、印刷等幅広い業界から求められています。地元の大企業はもとより、県外の日本を代表する企業から求人を受けています。
 本校機械コースでは、このような職場に就くために製図、機械実習、課題研究等の体験的学習を重点に機械技術の基礎を学習します。就職して行く者は職場において、進学する者は上級学校において、更にその技術や知識を深化させて、将来、機械技術者としてのスペシャリストになるための、基礎・基本を本校で学びます。
機械コース実習内容
  1年工業基礎(全クラス対象) 2年実習 3年実習
  題目 実習内容 題目 実習内容 題目 実習内容
1 機械加工 旋盤の基本操作 機械加工 旋盤、フライス盤、形削り盤の操作 機械加工 旋盤、CNC旋盤
    (端面削り、外形削り)   (六角ボルトの製作)   段付き丸棒の製作、加工プログラムの作成
2 仕上げ 仕上げ作業によるサイコロの製作 溶接 ガス溶接(ペンケース製作) 溶接 アーク溶接
    (ヤスリ仕上げ、ボール盤加工)       アルゴンガスによるアルミ・ステンレスの溶接
       鍛造 けがき針の製作 鍛造 センターポンチの製作
3 溶接 アーク溶接・ガス切断(板の切断と接合) パソコン ワープロ・表計算・データベースソフトの活用    
         一太郎    
         エクセル、パワーポイント    
4 パソコン 表計算ソフトの活用 電  気 実 習 デジタルIC回路 CAD 機械製図(応用)
    エクセル   無接点シーケンス、半加算回路    
        ポケコンによるLED点灯制御    
5 電気計測 直流モータ駆動回路の作成   ポケコンによるモーター、リレーの制御 MC マシニングセンタによる加工
    (ロボット台車の作成)       CAD・CAM
             
機械コース主要実習施設設備の案内
1.マシニングセンタ実習室
  マシニングセンタは、コンピュータによる数値制御工作機の中のひとつの名称です。この工作機は、フライス、エンドミル、ドリル、ネジ切り加工等複数の加工ができる複合工作機械です。沢山の種類の異なった工具を工作機の中に備えており、自動的に工具を取り替えて加工を進めます。曲面もなめらかに切削します。
  CADソフトで加工したい機械部品の図面を描き、CAMソフトで図面のデータをマシニングセンタに送れば、図面どおりの加工を機械がしてくれます。
  本校のマシニングセンタは、教育用の機械でなく、実際の工場で使用されている実用機であり、鋼の重切削も可能な能力を持っています。CADCAMを備えた実用機の設置は山口県の工業高校では本校だけであり、課題研究やロボット製作等の機械コース生徒の実習教育に、なくてはならないものになっています。
マシニングセンタ
3.機械加工実習室1
  人が操作をして機械加工を行う普通旋盤・フライス盤・ボール盤・研削盤等の工作機が数多く並んでいます。工作機が自動化していますが、必ず人がプログラムを組んで機械に支持を与えているのです。工作機の場合、材料に応じた切削速度や切り込み深さ等の切削条件を支持しなければなりません。
  この実習室では、各種の工作機の操作の基礎を学習します。実際に眼で見ながら加工し、切削条件等を体で覚えます。このような加工の基礎を学習して、はじめてマシニングセンタ等の自動工作機のプログラムが組めるのです。
  機械加工実習室は機械コースの中でも最も重要な実習室です。CNC旋盤等の最新の工作機も設置しています。
普通旋盤 NC旋盤
4.機械加工実習室2
  溶接と鍛造を行う実習室です。工作機は切削という方法で機械部品を加工しますが、溶接は接合という方法で機械部品を加工します。鉄板等はガス切断という方法で行います。ステンレスやアルミの溶接が可能な最新鋭のTIGの溶接機も設置しています。
 鍛造は鉄を加熱してハンマーで変形しながら強度の高い機械部品を加工する方法です。従来はコークスを焚いて加熱していましたので、すすで汚れたりしていましたが、ガスによる鍛造炉を新設しましたので、今後はきれいな環境で鍛造の実習ができます。
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溶接実習室 鍛造実習室
5.機械加工実習室3
  主として仕上げ加工や組立をする実習室です。部品を固定する万力や止めネジなどの加工をするボール盤、ネジ立て盤や卓上フライス盤などが設置されています。作業スペースがゆったりと取ってあり、工業基礎や課題研究という授業で生徒が活動する場となります。
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仕上げ加工実習室
6.材料試験実習室
  現在、企業ではコンピュータ制御された様々な試験機が導入されています。ここでは金属材料の強度を調べるコンピュータ制御による万能試験機が設置してあります。この装置は主として金属材料の引張り強さを試験します。試験片は丸棒、板の両方が試験できます。最新鋭のコンピュータによる装置で、試験片の取り付けだけは人の手がいりますが後は全自動です。試験結果もカラープリンタで出力され、非常に見やすく便利です。また、CCDビデオカメラにより試験片の破断までの様子を大型テレビ画面で見ることができます。ビデオで録画して、いつでも試験の様子を見ることもできます。
   万能材料試験機
7.その他の実習室
パソコン実習室、電気実習室、内燃機関実習室
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パソコン実習室 FA実習室